臨床検査技師は、国家試験に合格して資格を取得して、医師の指導・監督の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査、生理学的検査を行うことを職業とする者をいいます。
現代の医療においては、予防、治療などすべての分野にわたり、検査結果に基づいた最善の行為が行われており、検査の比重が高まっています。病院などでこうした検査を行うのは、臨床検査技師です。検査機器も年々進歩を遂げており、こうした機器を使いこなすためにも、臨床検査技師には日々研鑽が求められています。
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臨床検査技師の生化学検査
病院で臨床検査技師が行う多くの検査の一つに生化学検査があります。生化学検査は血液や尿の中に含まれている多くの化学物質を測定するもので、それによって身体の健康状態、特に、各内臓関係のほとんどをチェックできることから、重要な検査の一つでもあります。
(1)肝機能検査
AST(GOT)検査
ASTは心臓に最も多く含まれ、次いで肝臓、骨格筋などに多く含まれています。この酵素は細胞の異常によって血液中に放出されるので、血液中の酵素量を検査で測定して、心臓や、肝臓に障害が起こっているかどうかを知ることができます。
ALT(GPT)検査
肝臓の細胞中に最も多く含まれているので、特に、肝機能検査を主目的で行われる検査です。
γ-GTP検査
肝ー胆道系疾患のスクリーニング検査として用いられ、アルコール常習者などでは高値を示すことが多いのが特徴です。
ALP検査
肝臓から十二指腸に至る胆汁の流出経路に異常があるかどうかを知ることができます。骨の新生状況や肝機能、骨盤の機能が正常かどうかも分かります。
この他に肝機能検査としては、ビリルビン(Bil)、乳酸脱水素酵素(LDH)、アルブミン・グロブリン比(A/G比)、コリンエステラーゼ(ChE)検査などがあります。
(2)腎臓検査
尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cr)検査
尿素は蛋白質代謝の終末産物で、クレアチンは、筋肉のエネルギー関係の深いクレアチニン酸の代謝産物です。いずれも一種の老廃物であるため、腎臓の糸球体で濾過された後、尿中に排泄されます。排泄障害があると血液中に残るため、血液中の濃度が高いということは腎臓の障害が大きいということです。
(3)糖代謝検査
血糖検査(Glucose)
血液中のブドウ糖を血糖といいます。糖質を摂取すると、腸から吸収されて肝臓に運ばれ、グリコーゲンとして蓄えられていますが、必要に応じて再びブドウ糖となり血液の組織に運ばれます。膵臓から分泌するインスリンは糖代謝に強い関わりを持っており、インスリンの働きが弱いと血糖が高くなります。
グリコヘモグロビン検査、( HbA1c)
グリコヘモグロビンは、赤血球に含まれる血色素のヘモグロビンとがブドウ糖が結合したものです。グリコヘモグロビンの量からブドウ糖の濃度を測ることができます。グリコヘモグロビンの濃度は過去1~3カ月間の平均的な血糖値を反映しています。
(4)脂質検査
総コレステロール(T-cho)検査
コレステロールは、脂肪の消化を助ける胆汁酸、性ホルモンや副腎皮質ホルモンの合成材料であるばかりでなく、細胞膜の構成成分でもあり、人体になくてはならない物質です。しかし、低くすぎると様々な障害を伴うことになり、多すぎると動脈硬化を促進させる一因ともなります。
HDLコレステロール検査(HDL-cho)、 LDLコレステロル検査 (LDL-cho))
血液中のコレステロールにはHDLコレステロール検査とLDLコレステロル検査の2種類があり、前者を善玉コレステロール、後者を悪玉コレステロールと呼んでいます。後者は動脈壁に蓄積する性質があり、動脈硬化の一因 となるのに対し、前者は血管壁に付着した後者を積極的に抜き取り排除する働きがあります。
中性脂肪(トリグリセライド、TG)
中性脂肪は体内にある脂肪の一種です。摂取された食物の中で、エネルギーとして使われなかった砂糖などの糖質や脂肪は、大部分皮下脂肪として蓄えられますが、そのほとんどが中性脂肪です。血中の中性脂肪濃 度が高いということは、肥満症や脂肪肝になりやすいといえます。
これら以外にも、診断的意義のある生化学検査はたくさんあり ます